押し目はどこまで下がる?|38.2% / 50% / 61.8% フィボナッチの真実【図解】
なぜ 38.2% / 50% / 61.8% という数字に株価が反応するのか?
答えは 800 年前 にイタリアの数学者フィボナッチが発見した数列、 そして 古代ギリシャから愛されてきた黄金比 1.618 にあります。本記事では「ただの線」 ではなく 数学的な意味 を理解して、 売買判断に効かせる方法を解説します。
0.382 と 0.618 は黄金比から導かれますが、 50% は単純な中央値で フィボナッチ数列とは無関係。それでも世界中のトレーダーが「半値戻し」 を意識するため、 群衆心理の効果 として機能します。「黄金比 + 中央心理」 のセットで覚えてください。
この記事でわかること
- フィボナッチ比率の基本と主要水準
- リトレースメントの引き方(押し目買い用)
- リトレースメントの引き方(戻り売り用)
- エクステンションで利確目標を計算する方法
- エリオット波動各波のフィボナッチ比率の目安
- ダウ理論ナビでの自動計算の活用法
フィボナッチリトレースメントとは、フィボナッチ数列に基づく38.2%・50%・61.8%の比率で上昇トレンドの押し目水準を算出する手法である。多くのトレーダーが意識する水準のため、自己実現的に機能しやすい。ダウ理論ナビでは全銘柄のフィボナッチ水準を自動計算し、現在価格との距離を表示している。
フィボナッチ比率とは?
フィボナッチ比率は、フィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21...)から導き出される比率のことです。チャート分析で利用される主なフィボナッチ比率は以下の通りです。
リトレースメント比率(押し目・戻りの水準)
| 比率 | 意味 | 重要度 |
|---|---|---|
| 0% | 直近高値(起点) | — |
| 23.6% | 非常に浅い押し。強いトレンドで出現 | ★★ |
| 38.2% | 浅い押し目。第1候補 | ★★★★ |
| 50.0% | 標準的な押し目。第2候補 | ★★★★ |
| 61.8% | 深い押し目。第3候補(黄金比) | ★★★★★ |
| 78.6% | 非常に深い。トレンド転換リスク | ★★ |
| 100% | 直近安値(全戻し) | — |
エクステンション比率(利確・目標値の水準)
| 比率 | 意味 |
|---|---|
| 1.000(N計算値) | 1波と等倍の値幅が目安 |
| 1.618 | 黄金比。3波の伸びの目安 |
| 2.618 | 強いトレンドで到達する水準 |
| 4.236 | 非常に強いトレンドでの最大目安 |
リトレースメントの使い方 — 押し目買いの場合
上昇トレンド中に価格が一時的に下がったとき、どこまで下がったら反発するかを予測するのがリトレースメントです。
図1:フィボナッチリトレースメント — 押し目買いの候補水準
リトレースメントの使い方 — 戻り売りの場合
下降トレンド中に一時的に価格が上がったとき、どこまで戻ったら再下落するかを予測します。考え方は押し目買いの逆です。安値から高値に向かってリトレースメントを引き、38.2%〜61.8%が戻り売りの候補になります。
エクステンションで利確目標を計算する
押し目で買った後、どこで利益確定すべきかを計算するのがフィボナッチ・エクステンションです。
エリオット波動各波のフィボナッチ比率
エリオット波動の各波には、フィボナッチ比率の典型的な目安があります。
| 波 | フィボナッチ比率の目安 |
|---|---|
| 推進2波 | 1波の0.618〜0.876まで深押しすることが多い |
| 推進3波 | 1波の1.618倍、2.618倍、4.236倍まで伸びる可能性 |
| 推進4波 | 3波の38.2%押し、または3波の副次4波付近 |
| 推進5波 | 1波と3波と同じくらいが目安 |
| 修正A波 | 5波の38.2%〜61.8% |
| 修正C波 | A波のN計算値(1.0倍)〜1.618倍 |
検証ノート — フィボナッチ水準の実績
フィボナッチ・リトレースメントは世界中のトレーダーが参照する水準ですが、「必ず反発する」わけではありません。ダウ理論ナビのデータでは、Fib50%水準に接近した銘柄の翌日上昇率は約33%です。
フィボナッチ水準はあくまで「多くのトレーダーが意識する価格帯」であり、単独での判断材料としては不十分です。ダウ理論のトレンド判定やエリオット波動と組み合わせることで、確度が向上する傾向があります。
参照文献・データソース
データソース
- 株価データ: J-Quants API(JPX総研・東京証券取引所公式)
- 銘柄情報: 東京証券取引所 上場銘柄一覧(プライム・スタンダード・グロース市場)
参考文献
- Leonardo Fibonacci, "Liber Abaci"(1202年)— フィボナッチ数列の原典
- Robert Fischer, "Fibonacci Applications and Strategies for Traders"(1993年)— フィボナッチのトレード応用
- John J. Murphy, "Technical Analysis of the Financial Markets"(1999年)— テクニカル分析の標準的教科書